「さらば、神よ 科学こそが道を作る」を読んだ

Created: October 27, 2020 5:06 PM
Last Edited: June 13, 2021 12:34 AM

神を信じていますか?自分は信じていない。幼稚園がカトリック系だったぐらいで宗教に触れてこなかったというのもある。信じている人を頑なに否定し、無神論/無宗教を支持するよう説得するほどではない。

本著は「神の御技」を否定し、科学的な検証を踏まえた事実を持って、それらは自然の妙であることを呈示する本です。進化論のところは知っていたのでちゃんと読まなかった。著者は利己的な遺伝子を書いたリチャード・ドーキンスさんです。

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聖書は信頼できるのか

著者、リチャード・ドーキンスは新約聖書や旧約聖書、福音書が歴史書として信頼に値しない、創作物であるとこの本で述べています。この指摘でどれほどの人が怒るのか、悲しむのか、殺意を抱くのか私にはさっぱり分かりませんが、学校で進化論を教えたがらない大人がたくさんいる国だとたくさんいるんでしょうね。神話は伝言ゲームで曲げられた創作物、処女受胎は生物学的見地では起こりえないただの伝説......。前半はこんな調子です。

人々が善良であるために神は必要なのか

個人的に本著で一番興味深かったのはこの章でした。人間が善良な振る舞いをするのに、神や宗教は必要なのでしょうか?必要とされる理由は以下の2点だと著者は挙げています。そして否定しています。否定できますか?

  • 聖書やコーランは、人々が善良でいられるためのルールブック。
  • 人々が善良でいるのは、神々が見張っているだけだから。

神はいないのに何故人は神を信じるのか

人々は何故神を信じてしまうのか、それは人々が「知覚できない/理解の及ばない主体によって起こった現象」を恐るためだと著者は述べています。現代と比べて昔は科学の基礎知識は少なく、自然現象の検証が難しい。しかし、理解できないものは怖い。だから人間は神々を作り出した。理由が見つからないなら作ってしまおうという感じ。

人はなぜ人に親切なのか

親鳥は巣で待つ雛に自らが獲った獲物を分け与えます。チーターとかライオンとか、人間の近縁である猿もそうです。吸血コウモリを使った実験では、一匹の飢えたコウモリを生息域とは違う洞窟に住む個体と一緒にした時、他の個体は飢えたコウモリに血を分け与えたとのことです。少々帰納的なきらいがありますが、同種の個体と助け合う行為は、多くの生物に共通した遺伝子によってもたらされた機能なのかもしれません。

生き残ることついて優位に働く遺伝子の発現は、自然淘汰によって促進されます。つまり、野生状態であった我々の祖先が、互いに助け合うことで生き残り、結果として互恵的な関係を築こうとする遺伝子が遺伝子プールに多く存在することになります。同種(人間)同士が友好的な関係を築こうとするのは、神が天空から監視しているからでも、ルールブックに則ったわけでもなく、この結果であると著者は推測しています。

感想

人間に親切でいようと思いました。


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