「エコバッグは131回以上使わないと環境負荷がレジ袋より高い」はミスリードなんじゃないか

Created: June 13, 2021 1:10 PM
Last Edited: October 13, 2021 12:44 AM

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この記事の1ページ目で述べられているお話。エコバッグが環境に与える負荷についてちょっと気になったので久しぶりに長い文章を書くことにした。

先に結論を書いてしまうと前述の記事ではコットンバッグを生産する際に発生する環境負荷を、全てのエコバッグの環境負荷かのように書いており、ミスリードを招いてしまっていると思う。

言及している部分を以下に記載します。

英国の環境庁が2011年に発表した調査では、「地球温暖化の可能性」をレジ袋より少なくするには、エコバッグを131回使う必要があるとの報告もあるという。安藤さんは言う。
「つまり、100回以上使ってやっと『元がとれる』ということです。理由は、エコバッグを作ること自体の環境負荷です」

英国の環境庁が〜っていうくだりで、あれ、これどっかで見たことあるなと思いました。探したら速攻で見つかった。一昨年のWiredの記事です。

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英国環境庁が2011年に発表したライフサイクル・アセスメント報告書によると、「地球温暖化の可能性」を使い捨てレジ袋よりも少なくするには、コットンのバッグを131回使う必要があるという。しかもこれは、レジ袋を再利用しないという前提での数字だ。
ちなみに、英国で「bag for life(ずっと使えるバッグ)」と呼ばれる厚手の低密度ポリエチレン(LDPE)製のエコバッグなら、4回使うだけでいい。

両記事ともにレジ有料化について批判的な姿勢は変わらない。ただWiredの記事についてはコットンのエコバッグと明記している。AERAdot.記事では単にエコバッグ。さらにいえばWiredは違う材料で作られたエコバッグについてもちゃんと言及している。

そして、両記事が参考にしたであろう、イギリス環境庁が2011年に発表したライフサイクル・アセスメント報告書にもその旨が書かれている。下の表は 高密度ポリエチレンで作られたバッグ、要はビニール袋の地球温暖化係数を下回るために必要な再利用可能バッグの一次利用回数。要するに、これらのエコバッグはこの回数以上は使わないとビニール袋よりも地球温暖化へ悪影響ですよってのをまとめたものです。

Paper bag、つまり紙袋なら3回使えば良い。LDPE bagっていうのがWiredの記事で紹介されているbag for life(ずっと使えるバッグ)。Non-woven PP bagはこういうの

問題はコットンバッグである。一番右下、赤い点線で囲った数字(この点線は私がわかりやすいように載せたので原文にはない)、おそらく131回という数字はこちらを参照しているのだと思う。みての通りコットンバッグは他と比較すると明らかに数字が大きい。

以上のことから、AERAdot.の記事ではコットンバッグを生産する際に発生する環境負荷を、全てのエコバッグの環境負荷かのように書いており、ミスリードを招いてしまっていると思う。

もちろん、下記の表は地球温暖化に焦点をあてたものであって、エコバッグを使う上で他にも問題があるのかもしれない。しかし、131とはなんの数字なのかはちゃんと明記すべきだと思う。あと引用元のリンクをきちんと貼っておくべき。

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最後に

なぜこのような文章を書いたかというと、自分もレジ袋有料化うぜーなと思っている。なのでAERAdot.の記事を最初見たときは同感だった。しかし、どうも議論を特定の方向に誘導するような書き方だと思ったし、感情のままそれに乗っかってしまうのも嫌だったので書いた。あとこういう数字を頭から信じてしまうのではなく調べる癖をつけようと思った。


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