mex

2024.01.18

 パーフェクトブルーを観ました。辛いシーンがあったりして中断しつつ……。かなり面白かったです。現実と虚構を行き来する演出がただのショッカーやミスリードを誘うだけものではなくストーリをブーストさせています。「現実・虚構にある一人の”私”」って今敏作品の中核だと思っているんですが、パプリカは夢で、妄想代理人は記憶、東京ゴッドファーザーズはどうだったかな。あんまり覚えていない。パーフェクトブルーはインターネット、パーフェクトブルーが一番面白かったです。結末は分かりやすかったしありきたりだったけどあんまり気にならなかった。面白くて。今作が上映されたのは1997年で、世間的にはインターネット黎明期。匿名性が強いけれどオフ会は頻繁に行われてたっていう時代だったらしいのでインターネットと現実がリンクするのは象徴的な描写だったのかもしれません。当時の評を読んでみたい。ネットが現実世界の延長と判明して久しい昨今だと境界があること自体の非現実性が強くて一歩引いてみてしまうんですよね。そういう意味では90年代後半ならではの作品なのかな。というかパーフェクトブルーから10年足らずで妄想代理人を作ったのか。すごいな。あとサウンドトラックがめちゃくちゃ不気味で良かったです。DVDのメニュー画面で流れているのをしばらく聴き入ってしまいました。パーフェクトブルー戦記っていう今敏が残した文章もあるので、それも読もうかな。
 今敏監督作品は千年女優だけ観てないんですが、今度リバイバル上映するらしいので観てみたい。まぁTSUTAYAディスカスでも借りられるんですが……。
今敏監督『千年女優』リバイバル上映の劇場でA5サイズのミニポスター配布決定【劇場リストあり】
ニュース| 日本を代表するアニメーション監督のひとりとして、『パーフェクトブルー』や『パプリカ』など、国内外で高く評価される名作アニメーションを世に残した今敏(こん・さとし)。昨年、9月に『パーフェクトブルー』が劇場上映されて話題となったリバイバル企画の第2弾として、2001年公開の『千年女優』が、今月19日より全国112館にて期間限定上映される。このたび、全国の上映劇場で入場者に『千年女優』のミニポスター(A5サイズ)を先着順でプレゼントすることが決定した。下段に上映劇場のリスト掲載。 『千年女優』は、2人のインタビュアーを巻き込んで語られる、かつての大女優・藤原千代子の虚実が入り混じった、だまし絵のような女優人生一代記を描いた作品。 前作『パーフェクトブルー』は人間のネガティブな面に、『千年女優』はポジティブな面にそれぞれスポットを当てており、両作品はいわばコインの裏表のような姉妹的な存在とされている。また、音楽を手がけた平沢進と今監督が初めてタッグを組んだ作品であることでも知られる。
今敏監督『千年女優』リバイバル上映の劇場でA5サイズのミニポスター配布決定【劇場リストあり】
 DVDに今敏監督のインタビューが同梱されていてこの文章を書きながら時折目をやっているんですが、話しながらの視線の運び方や手の動きがめちゃくちゃ友人と似ていて久しぶりに会いたいなとか思いました。
 
 音楽の話です。前の日記でも書いたんですが、最近はジャズを聴いています。聴いてた作品をつらつらと
 Sun Ra率いるオーケストラは頻繁に改名していますが、His Astro-Infinity時代が一番好き。なんというか、自分はやはり大作よりもこじんまりした作品に魅力を感じるんだなーと思いました。なぜかね。
 
 フリージャズ・ドラマーとして活動していたTony Oxleyが昨年末に没してたことを知り、改めて参加作品を聴いていました
Derek Bailey、Gavin Bryarsと組んでいたJoseph Holbrooke Trio、かなりかっこいです。実はAmazonでMP3が買えます。
ECMから出ているTomasz Stańkoとのカルテットも美しい。Tomasz Stańkoも亡くなってますね……。
 
ジャズじゃないです。マスロック。31knotsの作品を出していた54º40' Or Fight! ってレーベルを漁っていて見つけました。31knotsのドラマー、Jay Pellicciが参加しています。2000年代初めの作品なので、最近のマスロック勢と比べるとめちゃくちゃ素朴ですね。ヘヴィすぎず、メロディアスすぎず、スカスカな演奏故に緊張感があります。めちゃくちゃかっこいい。
HellaとのSplitも出しているんですが。これはまた違う良さがあります。