mex

2025.06.15

 ビデオ作品「サイキックビジョン 邪願霊 狙われた美人キャスター」(1989)を観た。監督は石井てるよしだか、小中千昭の脚本デビュー作として有名かも。演出にも深く関わっているようでJホラーの原点とも言われています。モキュメンタリー。じっとり怖い感じでショッカー的演出はほとんどないです。サスペンス的な展開もまぁ弱いんですが、40分くらいの作品なのでダレる前に観終わります。ヒロインはスポンサー会社の社長の娘で、演技経験のない新人らしいです。モキュメンタリーなので拙さはあんまり気にならないですね。地味な展開の割にクライマックスが派手でよい。幽霊が危害を加える動機づけに関しては凡百のホラー同様、妙にリアルにしようと特定の状況下に置かれている人を安易に登場させている印象でした。とにかく「詳細な」背景を描かない。ポンポンと悲惨に見える言葉を並べ「だから彼女は悪霊になったんです」。それなら世の中ポルターガイストだらけだろ。
 ただ、最近のモキュメンタリー作品「イシナガキクエを探しています」を観た時に思ったんですが、真相に関する説明がほとんどなく、演出で匂わせるという感じで見事に「ほのめかし」を描いていて、これはこれですべてが演出上の小道具に思えてしまって、うーん、なんというか、つまらんかも……という感じになってしまったんですよね。良いフィクションになってないというか……。モキュメンタリー向いてないのかも。ドキュメンタリーの方が絶対怖いし。