mex

2023.12.26

 そろそろ2023も終わりだ…。短かったような長かったような…。東京から沖縄に引っ越して生活環境がまるっきり変わってしまったので時間感覚もバグってしまった。

 

 今年はBandcampのアーティストページを開設して音源を出せたのがよかったですね。

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 なんとなく各パートは編集せずに自分で演奏するようにしていました。こだわりというか、DAWで切ったり貼ったりを始めてしまうといつまでも終わらなくなってしまいそうだったので…。 次のアルバムはがっつり編集を加えたものになります。ビートは相変わらずない。

あとは…Bandcampで音源も結構買ったので2023年のベスト音源でも載せておきます。

40 Nights and 40 Days / Mike Cooper

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 Mike Cooper!!!またMike Cooperです。2020年リリース。2023ですらない。コロナ禍真っ最中に録音された本作。曲名のQuarantineというのは元々ペストが流行した際、40泊40日隔離されなければならないという意味で、イタリアのヴェネツィアで生まれたとか、そうでないとか(調べたら諸説ありだった)。またカッコ内に記されているのはスペイン内戦で活動していた写真家たちの名前だそうです。曲は全編インスト。不規則な電子音とノイズが素晴らしい。微かに聴こえるラップスティールギターもグリッチによる唐突な中断と短い反復で断片化されます。ただ、音色がチープで可愛らしくそのギャップが楽しいです。

New path / Folder

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 これも2020リリース。picnicのメンバーが参加していてpicnicより聴いています。ユニット名がFolderでアルバム名がNew pathです。世界に遍在しすぎ。めちゃくちゃ探しにくいのでApple Musicのリンクも貼っておきました。加工されたフィールドワーク音源と細切れのピンクノイズが散らばった空間に、ビート感一歩手前の音の反復とフェードイン/アウトを繰り返す電子音が気持ちいいです。最近は2010年代後半から2020に至るまでのアンビエント・ミュージックを聴いているんですが、ジャンル全体の表現の進化を感じさせる作品が多いように思えます。リズムやビートよりのアプローチをとりつつ、ニューエイジ・ミュージックの音像を大切にしているというか、フォークトロニカやエレクトロニカの影響を強く感じます。初期Four TetやThe Booksを出発点に時代を遡ってBrian Enoを参照した感じ。

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 この作品も同じレーベルから出ているんですが、共通した感触があります。

Joy In Fear / goat

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 goatです。8年ぶりの新作らしく時の速さを感じます。現在デジタルフォーマットでの販売やサブスクはなくCDもしくはLPを買うしかありません。よかったので買いましょう。

 1曲目と7曲目以外はバンドで録音しているらしいんですが、1st、2ndと比べるとバンドのダイナミクスを保ちつつミニマルミュージックや音響的なアプローチが増しているように思えます。性急さが減ってちょっとずつ緊張感を積み上げている感じ。3曲目とか特徴的ですね。ドラマーが前作と変わったのが影響しているのか聴いたかぎり打楽器が増えているのも前作との違いでしょうか、新しい楽器も違和感なく取り込めるのはプレイヤー/コンポーザーとしてのスキルが伺えます。そして相変わらずバンド演奏が上手いし唯一無二。

 書いてて思い出したんですが、今年リリースされた空間現代の新作はかなりgoatの影響が感じられます。こっちもぜひ。bandcampもサブスクもあります。

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