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2024.11.21

 年内にアルバム出せたらいいなぁとか書いてたんですが、10/4のBandcamp Fridayに5曲入りのEPをリリースしました。
 内容としてはギター、ベース、ドラムで構成されたノイズロックです。エフェクターを試していたらこれ曲にできそうだな〜っていうギターがいくつか録れたのでそのままベースとドラムを録ってリリースしました。無料でダウンロードできるのでよろしくお願いします。
 もうそろそろ2024年も終わりますね。来週宅建の試験があって、それが終わればちょっと暇になるなんですが、残り二ヶ月は一枚音源を出すにしては短く(次はMVもつくりたい)、なにもしないとなると長く…という感じです。楽器の練習でもしようかしら。日記には書いてないんですが、先々月?くらいにユーフォニアムを買ったんですよね。音源に使いたいなぁと思っています。まだ安定して音を出せないので絵に描いた餅ですけど。管楽器って想像の100倍むずいです。
 
 先週の10/10〜11は仕事で東京に行ってたんですが、飛行機の予約を間違えるというとんでもないミスをしてしまい、しかもそれに気づくのが保安検査場へ入る時という…。なんとかなりましたがこのレベルの大ポカしたのは久しぶりというか初めてかも。
 自分は沖縄に住んでいるので、東京へ行くためには那覇空港発/羽田空港着の便に乗らないといけません。しかしなぜか自分は羽田空港発/那覇空港着、つまり逆区間の便を予約してたんですよね。当然出発当日の朝は沖縄にいるので乗れるわけがありませんし乗る理由もありません。そして往復セットで予約していたので帰りの飛行機も綺麗に逆でした。とほほ。飛行機に乗る機会がかなり増えたのでなんというか慣れによる油断がでましたね。家族にも心配かけたので(帰ってくる予定の次の日が息子の運動会だった)、以後気をつけたいと思います。
 
今日見つけた音源でも貼って終わります。
 
↑というのが10月12日に書いた日記なんですが、これをブログに反映しようとしたらブログが壊れてたんですよね(宅建も無事終わってます。結果待ち)。使っていた主要ライブラリがそのライブラリ開発元のWeb APIに依存していたんですが、そのAPIがどうやら停止したらしくどうにもならんという感じでした。もともとそのライブラリ自体が随分前から更新停止されていたのでついにきたかという。
 一ヶ月以上放置していたんですが、新しいライブラリを使い、ようやく見れるようになりました。あとは個別に日記を表示できるようになれば完了です。はー。
 
最近良かった音楽を最後載せておきますね。
がんばるぞい。

2024.09.18

 最近は頑張って音楽を作っています。朝早く起きてギターを弾いている。小学生くらいのころは朝早く起きてゲームしたり漫画読んだりしてたんですが、中学生高校生大学生と進学するにつれて夜更かしがひどくなりましたね。今は朝四時半に起きています。極端すぎる。眠気覚ましに三十分くらい散歩するんですが、なんかたくさん飛んでるな〜って思ったらコウモリでした。
電線にぶら下がるコウモリ氏
電線にぶら下がるコウモリ氏
 年内にアルバム出せたらいいなで進めています。今年は七月末にEPを出していて、Bandcamp Dailyに選ばれたりしたので二匹目のドジョウを掬いに行きます。⇩載った記事です。今年いっぱいは擦らせてください。
 
 妻が息子を幼稚園へ送った帰り道で海亀が道路を歩いていたって言ってました。車道をのそのそと横切っていて妻含む周囲の車は轢かないように減速しつつ避けたとのことでした。いくら美ら海沖縄といえども道路に海亀がいるはずないんですが、今日は絶賛台風14号が接近中なので鳥が落とした可能性がもしかしたらあるのかもしれません。でもよくよく妻に話を聞いてみるとどうもヌマガメと海亀の区別があんまりついてないようなのでちょっとわからないですね。これがマジックリアリズムかぁ。
これよかったです。

2024.09.17

 最近はThe Dead Cをよく聴いています。こればっか言ってますね。
 かっこいいんですよね。ノイジーなロックンロールもあれば、ドローン・物音系的なアプローチもあり、ラフな演奏でモノクロな音色で一貫しつつやっていることの裾野が広い。ノイズって結構ルーツがわかる音楽だと思うんですが、彼らに関してはあんまり見えてこないですね。強いて言えば歌心とサイケ感のないSpaceman 3?(今聴いたら全然違う)。うーんでも音色や質感はAMMが一番近いので、やっぱり即興系?どうなんでしょうね。
 AMMMUSIC 1966は最高。というか手軽に聴ける音源がこれしかない気しますね。探すぞ。
 
 Los Angeles Free Music Society って知ってますか?略称のL.A.F.M.Sなら見覚えあるかもしれません。Art Into Lifeとかのオンラインストアを眺めているとたまに目に入ってくる文字列ですが、俺はあんまり知りませんでした。Sun City GirlsとかThinking Feller Union Local 282、Caroliner Rainbowが影響を受けていたみたいです。マジ?
 L.A.F.M.Sは複数のアーティストが構成している組織らしく、いろんなバンドを組んでいて、とりあえずApple Musicにあって一番手頃に聴けるSmegmaを聴いたんですが、めちゃくちゃかっこいい。
 最近のスカム・ジャンクのシーンの中核にあるカオティックなコラージュ(BBBBBBBとか)の源泉ってここにあるのかなとかテキトーなことを思いました。思う分には勝手ですからね。今年はL.A.F.M.Sをもっと漁るつもりです。
 今朝話題のバンド聴くか〜つってStill House Plants聴いて全然ハマんなかったんですが、改めて最近聴いてる音楽振り返ると、多分今じゃないんだなと思いました。そういうのってあるよね。

2024.06.14

 沖縄は大雨が続いています。降水量が1時間2mmを記録すると本降り判定になるらしいんですが、平気で20mmとか降っていて各地で大雨警報も出たりしている。これが亜熱帯気候です。三ヶ月前は水不足で断水するかも…ってなってたんですけどね。人間の都合とかあんま気にしてないっぽい。最近は雨ガッパを上下揃えたので雨天でもフィールドレコーディングしてるんですが、靴が通常装備なんですよね。毎回靴下がびしょびしょになり靴は異臭を放つので自分の足元は見たほうがいいのかも。長靴も買おうかなと思っているんですが。土木会社に勤めていた頃に一生分履いたのでめんどくさいなぁと思っています。海用の靴とかの方がいいかもしれません。水辺もいくし。
最近のフィールドレコーディング
最近のフィールドレコーディング
先週、33歳になりました。33歳になったしなんか新しいことしようかな〜と思っていますが、年齢を重ねたからといって時間が増えるわけもないので特に何もしていませんが、なにかしようかな〜と思っています。とりあえず7月にEPをリリースする予定なのでそのための準備諸々やっています。終わったら考えようかしら。
 
最近聴いてる音楽でも載せます。
Zimounの初期の作品です。実は新作が12Kレーベルから出た時、昔の日記でも触れていたんですが、初期作品を聴いてみたらかなり好きでした。ミニマルミュージック。プチプチいうグリッチノイズがめちゃくちゃ好きですね。最近こういうの聴くのが楽しいな。

2024.05.12

 GW後の勤務がおわりましたね。そして明日は月曜日です。働く気が起きずだらだらしています。明日からちょい忙しくなる予定。いやだな。
 GW後半はハウステンボスに行ってた。
ハウステンボス 遠景
ハウステンボス 遠景
 ハウステンボスってアトラクションとかショップとか食事処が「園」の中にあってチケットを買って入るんですよね。知らんかった。GWなので当然激混みで日差しも強くこれはしんどいと思っていたら、朝5時起きの息子が入園後2時間で限界を迎えたのでホテルに撤収。お昼寝後の夕方ごろは日差しも弱まり列のない施設も増えていたので、結果的によかったですね。VR系アトラクションはずっと160分待ちとかだったけど。夜は花火を観ました。花火の観覧席?を予約していたらしいんですが、観覧席とはなんなのか、どこにあるのか、いったいどうすれば辿り着けるのかを家族全員知らなかったため、その辺の橋の上から鑑賞。綺麗でした。
ハウステンボス内の花火
ハウステンボス内の花火
 最近、ちょいリバウンドしました。去年86kgから81kg、5kgほどダイエットしたんですが、今測ったら83〜84kg…。あすけんを使ってカロリー管理していたんですが、自分にあってなかったっぽい。あすけんは1日のカロリーが低すぎても高すぎてもダメなので、足りない分を間食で補うことが多く結果的にお菓子を多量に摂取してしまっていた(旅先で食べすぎたとかそういうのもあります)。ので、あすけんはやめ、毎日体重・体脂肪測定/ウォーキング/間食しないっていうやり方に戻します。ダイエットは身体を破壊する行為……。
 
 最近聴いた音楽でも。まぁいろんなとこで散々書いてるんですが。
 これはかなり好き。FarbenはJan Jelinekの別名です(Jan JelinekといえばLoop-Finding-Jazz-Recordsが有名ですね)。今作はJames DIN A4(これもDennis Buschって人の別名義らしい)の過去作品にリミックスを施した音源だそうです。熱のないダンスミュージックといった感じですが、正直なんと形容したらいいのかわからないです。ポスト・ミニマル?まぁめちゃカッコいい。
 James DIN A4については全然知らなかったんでいま漁っています。
 
Gesellschaft Zur Emanzipation Des Samples(サンプリング解放同盟、略称GES)、これもJan Jelinekの別名義なんですよね……。いったいいくつ名義があるんだ。内容はめちゃくちゃ良いです。サウンドコラージュをメインにグリッチやノイズといった要素がありつつ、とっつきやすさというか、独特な軽やかさがあります。どんどん聴きましょう。
 
R.I.P. Steve Albini

2024.05.01

 先日GWに入りました。つい最近までお休みをもらっていましたが、全然休みたいので有給使って10連休です。仕事の熱意が戻ってこないが、そもそもそんなのなかったのかもしれない。とにかくできることをこなす達成感だけで続いていたのだから仕方ないですね。うーん、人生万事塞翁が馬(適当)。
 GW初日は結婚記念日でした。あとシーミーをした。お墓参りですね。みんなで料理を食べたりするんですが、鬼のように暑く早々に退散して家の中で料理を食べました。下の写真はお供え中の写真なんですが、手前のビニールシートは太陽熱を吸って地面より熱くなっていた。
お供えの様子。
お供えの様子。
 二日目はDMMかりゆし水族館へ。車で片道1時間半ですが、まぁまぁよかったです。
トランスルーセントグラスキャット
トランスルーセントグラスキャット
ピラニア・ナッテリー
ピラニア・ナッテリー
ムツオビアルマジロ
ムツオビアルマジロ
 あと明後日から2泊3日でハウステンボスに行ってきます。どんなところなのか正直よくわかってないですが、アトラクションあったりするらしい。息子と乗れたらいいな。
 
 最近聴いている音楽でも書いておくか。
 イギリスのレーベルHome Normalからスペイン人アーティストghost and tapeの2023年作です。Bandcampはスプリングセールで60%オフ。まぁApple Musicでも聴けます。
 キレがある感じで飽きない。前作まではエレクトロアコースティック系で楽器も使用していたんですが。今作は全編モジュラーシンセらしくそう言われると確かに冷たい音色に一貫しています。
 
 イタリアのレーベル、901Editionsからギリシャ人アーティストSpyros Emmanouilidis。粗いノイズから始まります。シンプルで怪しいビートとコントラバスらしき断片的な音が鳴ったり鳴らなかったり、いくつかのテクスチャーが組み合わさっていますが、ミニマルミュージックのようなシンプルで風通しのよい印象を受けます。一曲が短いせいもあるのかな。
 
書いてるうちに5/2になってしまった。寝ます。

2024.04.13

 風邪をひきました。妻からもらってしまったっぽい。病院行って薬飲んで安静にします。以下の文章は風邪だ!と自覚する前に書きました。
 4/5にBandcamp Fridayがあったので色々購入しました。毎回BFCで購入した作品を紹介するぞ!つってるんですが、今回も全部やるのは無理っぽい。
でもやります。
 Vittorio Guindaniっていうアーティストです。この作品はイタリアの901 Editionsからリリース。901 Editionsは気になる作品が多いなぁ。物音系なんですが、粗いノイズと軋みの中に不意にメロディアスな瞬間があったりしておもしろいです。Bandcampの説明文にはフィールドレコーディングの残り物?から作ったとの記述があります。わずかに生じた音を無理やり拡大したような解像度の低さがあってフィールドレコーディングといってもかなりスケールを絞った印象がありますね。コラージュとも違って極端に短い反復が交差しているような、ミニマルミュージックっぽいかも。
 
 最近は主にBlenderを使った3DCGの作業をしています。エフェクターとか買ったんですが、音源制作は一旦触っていないです。なんかそういうのありますよね。
シーン制作中
シーン制作中
3DCG制作、というか映像制作について一つの指針というかこういうことがやりたいな/やりたくないなというのはっきりしてきたのでモチベが上がっているというのもあります。5月中には終わらせたい。

2024.04.11

 久しぶりの日記です。会社にお休みをもらって育児に専念しているんですが、毎日毎日息子を連れ出しているとなかなか時間が取れないですね。だいたい朝、息子の起床前と昼寝中に自由時間が取れるんですが、朝に活動しすぎてしまうとエネルギーが切れてしまい午前中しんどくなってしまうんですよね。朝がダメなら昼に…と思うんですが、息子の昼寝中に家事をやったりもするので油断していると何もできずに終わってしまいます。しかも最近は体力がついてきたのか、昼寝せずに遊び続ける日もあります。全然仕事より忙しい。以上が近況です。
 久しぶりにTwitterを開いたらSpotifyがトレンドに入っていました。ろくなことじゃないだろうなと思ったんですが、本当にろくなことではなかった。
 Spotifyは軍事企業への投資とかロイヤリティシステムとか色々あるんで、気分よく使えないならやめちゃってもいいと思います。音楽産業に関わる人をサポートしたいならグッズを買うなり、Bandcamp Fridayで音源買うなり、SNSで好きなアーティストについて投稿するなり、人と話すなり、一人で想いを育てるなり、とにかく自分が納得できる方法を選択できたらいいですね。
 話は少し変わりますが、今回の件でSpotifyとApple Music以外のストリーミングサービスを使ってみようと思い立ちDeezerに登録してみました。フランスの企業が運営しているサブスクリプションでの音楽ストリーミングサービスです。
 自分がApple Musicをメインで使っていて、良かったら乗り換えようかな〜と考えてみたんですが、ちょっと無理でした。DeezerはUIとしてはSpotifyに少し似ていて、曲やアルバム単位でお気に入りに追加できるんですが、追加できる数に上限があったんですよね…
 曲だと10,000、アルバムだと1,000……。デスクトップアプリだと多少増えるんですが、焼石に水でした。ぬーん。他のストリーミングサービスからの移行ツールもあって、乗り換えはスムーズにできそうだったんですが、移行が完了すると同時に前述の上限に達してしまい新しい曲をお気に入りに追加できなくなりました。ので乗り換えは断念。もし使うなら一から育てる感じになりそうです。それも楽しそう。
 他にはTidal かな。まだ日本ではサービス開始していないけどQobuzもあります。もっとあったら教えてください。
 
 最後に最近聴いてる音楽。Natalie Beridzeの昔の名義、 TBAの1stです。ミニマムなエレクトロニカでかっこいい。
TBAは以前日記で紹介しましたね。
2024.02.09
版元日誌ってのを見つけた。面白い版元日誌 | 版元ドットコム 1月後半くらいからすこぶるヴァイブスが悪くて読書もDTMも捗ってないですね。ポケモンばかりやっています。やっているといっても、もともとゲームをやる習慣がないせいで1日30分くらいだけど。IMG_3316.PNGIMG_3315.PNG いまニンテンドーオンラインストアで履歴調べたら、購入日は2023年2月20日だそうです。ほぼ1年かかってますね。 前のBandcamp Fridayで買った音源の紹介です。小出しにしてますが、一曲一曲じっくり聴けていいですね。Georgia Is Like Spiritual Tokyo, by TBA TBAの2ndアルバム、直訳すると「ジョージアはスピリチュアルな東京のようなもの」。ジョージア州ってそうなんだ。2003年リリース。21年前。ミニマムなエレクトロニカです。Thomas Brinkmann主催のMax.Ernstというレーベルからリリースされています。現在はNatalie Beridze名義で活動しているようです、他にもTBA Empty、Nate Fisherと変遷がありますが、プロフィールあんまり知らないんですよね。 1曲目の8bitライクなサウンドが可愛らしいですが、こういう曲はこれだけ。階段を降りていくような刹那的なフレーズの反復とスポークンワードっぽさもある平坦で煙たいボーカルがお互いを無視しつつ重なっています。Stereolabっぽいですかよりスカスカで軽い音像。とてもよい音楽です。もともと短編映画を制作していたらしく、最後の2曲は会話劇を聴いているようです。言葉がわからないのでなんにもわからないですけど。tellKujira, by tellKujira イタリアはローマのフリーフォームなバンド、tellKujiraの1stアルバム。あんまり情報がないんですが、ヴィオラとチェロとギター二人のカルテット、ヴァイオリンのポジションがギターになった弦楽四重奏です。2020年結成。,Area Sismica,a,https://www.areasismica.it/, っていうカルチャーセンター?にプロデュースされているようです。 1曲目Kujira、やっぱ鯨なんでしょうね。ヴィオラとチェロの持続音(ピチカートも交えつつ)を背景に二つのギターがメロディを奏でています。このアルバムの中では一番メロディアスですね。後半のディストーションもノイズの粒度が小さくて暖かみがありますね。他の曲も粒揃いなんですが、ギターアンビエント〜物音系ドローン〜ミニマル〜フリージャズを行き来するよう曲が多いですね。即興演奏やフリージャズのアプローチを採用したグループって曲にバリエーションを出すのは難しいんでしょうか。自分が素養ないだけっていうのもありますが……。しかし、3曲目のTomwaitsは素晴らしい。個々のプレイヤーの演奏技術が光っています。パーカッシヴ+物音系ドローン的な冒頭からインタープレイ、そしてドローンへ流れ込む構成なんですが、緊張感を最後まで持続させていて見事です。続く4曲目Interior sketchが似たような構成でちょっと中弛みするのが残念ですが。
2024.02.09

2024.02.19

 最近Pg.99ってバンドにハマっている。pageninetynineとも書くらしい。音源は全てDocumant #n といった形式に則って名付けられています。一番好きなのは#8。Kurt Ballouのクレジットがありますね。どこにでもいるなぁ。
 ところでなんですが、スクリーモっていうジャンルがあります。自分がこのジャンルを知ったのは10年前くらいで、その頃はちょっとハードなエモって認識でした。The UsedとかSaosinとか、マイケミもちょっとそう呼ばれたりしてたかも。その頃はあんまりハマらなかったんですけど、Pg.99も分類としてはスクリーモなんですね。サブジャンルのEmoviolenceにみなされているらしい。wikipedeaに載ってました。でもEmoviolenceって言葉自体ジョークって書いてあるな。
 日本でもEmoviolenceって括りのバンドはいるらしく、これは沖縄のunripeってバンド。かっこいい。
Video preview
 
 Bandcamp Fridayで買ったものの紹介をします。このペースだと紹介し終わるころに次のBandcamp Fridayが始まるんじゃないか?って思ったんですが、次回のBandcamp Fridayは未定っぽいです。
 nzworkdownの作品です。2023年リリース。Re-editと冠された曲が多いですが、あまり気にせず聴いています。nzworkdownさんは多作でアプローチも多様なんですが、一貫して緊張感のある美しさを伴っています。今作はフィールドレコーディングの要素が結構ありますね。一番好きなのは3曲目のRain Strum。激しい雨音と深くリバーブのかかったロングトーン。2022年リリースのRainyって作品と似た雰囲気です。自分はこれも好きな作品なんですよね。bandcamp上からは消えているんですが、また再会できたようでうれしいです。5曲目Kitchen Atomosphereも好きな曲です。高い電子音の間から聴こえてくる微かな水音が美しい。
 前述の通りnzworkdownさんは多作なので、似た雰囲気で自分の好きな作品をあげておきます。Prehistoric Silenceっていうイタリアのレーベルからのリリースです。
 アンビエント曲をまとめたベスト盤?的なものもリリースされているので、そちらから聴くのも○。Lucid Ambiguityの収録曲も結構入ってます。
 

2024.02.09

 版元日誌ってのを見つけた。面白い
 1月後半くらいからすこぶるヴァイブスが悪くて読書もDTMも捗ってないですね。ポケモンばかりやっています。やっているといっても、もともとゲームをやる習慣がないせいで1日30分くらいだけど。
さっきクリアしました
さっきクリアしました
エモ
エモ
 いまニンテンドーオンラインストアで履歴調べたら、購入日は2023年2月20日だそうです。ほぼ1年かかってますね。
 
 前のBandcamp Fridayで買った音源の紹介です。小出しにしてますが、一曲一曲じっくり聴けていいですね。
 TBAの2ndアルバム、直訳すると「ジョージアはスピリチュアルな東京のようなもの」。ジョージア州ってそうなんだ。2003年リリース。21年前。ミニマムなエレクトロニカです。Thomas Brinkmann主催のMax.Ernstというレーベルからリリースされています。現在はNatalie Beridze名義で活動しているようです、他にもTBA Empty、Nate Fisherと変遷がありますが、プロフィールあんまり知らないんですよね。
 1曲目の8bitライクなサウンドが可愛らしいですが、こういう曲はこれだけ。階段を降りていくような刹那的なフレーズの反復とスポークンワードっぽさもある平坦で煙たいボーカルがお互いを無視しつつ重なっています。Stereolabっぽいですかよりスカスカで軽い音像。とてもよい音楽です。もともと短編映画を制作していたらしく、最後の2曲は会話劇を聴いているようです。言葉がわからないのでなんにもわからないですけど。
 
 イタリアはローマのフリーフォームなバンド、tellKujiraの1stアルバム。あんまり情報がないんですが、ヴィオラとチェロとギター二人のカルテット、ヴァイオリンのポジションがギターになった弦楽四重奏です。2020年結成。Area Sismica っていうカルチャーセンター?にプロデュースされているようです。
 1曲目Kujira、やっぱ鯨なんでしょうね。ヴィオラとチェロの持続音(ピチカートも交えつつ)を背景に二つのギターがメロディを奏でています。このアルバムの中では一番メロディアスですね。後半のディストーションもノイズの粒度が小さくて暖かみがありますね。他の曲も粒揃いなんですが、ギターアンビエント〜物音系ドローン〜ミニマル〜フリージャズを行き来するよう曲が多いですね。即興演奏やフリージャズのアプローチを採用したグループって曲にバリエーションを出すのは難しいんでしょうか。自分が素養ないだけっていうのもありますが……。しかし、3曲目のTomwaitsは素晴らしい。個々のプレイヤーの演奏技術が光っています。パーカッシヴ+物音系ドローン的な冒頭からインタープレイ、そしてドローンへ流れ込む構成なんですが、緊張感を最後まで持続させていて見事です。続く4曲目Interior sketchが似たような構成でちょっと中弛みするのが残念ですが。
Video preview
tellKujiraのYoutubeチャンネルもありました。

2024.02.04

 なんか1月長かったですね。旅行行ったりしてたせいでしょうか、あと新NISA始めたりインデックス投資の本読んだりしていました。いつかこのブログもインデックス投資で億万長者金持ち父さんFIREFIREになるかもしれません。その時はすいません。
 Bandcamp Fridayだったので色々購入しました。今まで購入作品全部並べてあーだこーだ書いてたんですが、普通にしんどいという事実に気づいたので、今回からは小出しに書こうと思います。ていうかあんなに一気にちゃんと聴けるわけないじゃんね。冷静さを取り戻しました。
OMOIDE LABELから。響現(きょうげん)って方の作品です。自分はあんまりエレクトロポップというかハウスというか、まぁあんまり詳しくないんですが。全編ミニマルでやわらかな歌物です。ゲームのサントラにボーカルが入っている感じ。各曲も3分を超えることはなく、きもちいいなーって聴いてたら終わります。とくに面白かったのは2曲目のPilgrimage (feat.三月,π)、爽やかな音像の中でたまにジャミジャミ?したグリッチが一瞬浮き上がってくるのがいい感じ。9曲目の道しるべ (feat.夜中。)も小気味よいボーカルをボワボワしたベースが追いかけるようなのが楽しくて好きでした。全曲ボーカルはゲストらしいんですが、あんまり知らない世界なのでのんびりあさってみようと思います。
Nicola Di Croceの作品です。リリースは2012年。ちょうど12年前ですね。アブストラクトな一曲目nitlから始まります。不規則なハイハットとリムが気持ちいい。これが一番好きです。全体的にミニマルミュージックっぽいアプローチの曲が多いです。2曲目のtradingなんかは男性の喋りをループさせていてSteve ReichのDifferent Trainsを彷彿とさせます。6曲目romaeはダンスミュージック然としたビートの上にとにかくいろんな楽器やFXをフィールドレコーディングをコラージュしてるんですが、展開が進むにつれてまとまっていくのがちょっと物足りないですね。全体的にポストロック的な音像も相まってとても聴きやすいですが、他のNicola Di Croceの作品と比べるとメロディアスすぎてもうちょっと緊張感が欲しいなと思ってしまった(でも好き
最後に、Bandcampの作品ページでThe juicesqueezerってサイトへのリンクが貼られているんですが、今スパムにドメイン取られちゃってるので踏まないように気をつけてください。
The juicesqueezerはスパムなのでアクセスしちゃダメ
The juicesqueezerはスパムなのでアクセスしちゃダメ
 

2024.01.23

 部屋が寒くて辛い。最近家の外壁工事が入っていて室外機が取り外された結果、エアコンが使えなくなっています。世知辛いね。先週末は大宜味村のホテルに泊まっていました。20日から1泊。母がお気に入りで去年も同じところに1泊しました。
正直まぁまぁ出不精というか、子供連れていくとだいたい暴れるので結果的に出不精になっていたので、久しぶりに遠出しましたね。八重岳桜まつりにも行ったり、宜野座村でいちご狩りもしたり、一泊二日なかなか充実していました。そんな書くこともないけど。
いちご、品種は不明
いちご、品種は不明
フィールドレコーディングもしたよ。なんか写真撮るのミスってぼんやりしています。
三脚を忘れ、野に置かれたZoom H4nPro
三脚を忘れ、野に置かれたZoom H4nPro

2024.01.18

 パーフェクトブルーを観ました。辛いシーンがあったりして中断しつつ……。かなり面白かったです。現実と虚構を行き来する演出がただのショッカーやミスリードを誘うだけものではなくストーリをブーストさせています。「現実・虚構にある一人の”私”」って今敏作品の中核だと思っているんですが、パプリカは夢で、妄想代理人は記憶、東京ゴッドファーザーズはどうだったかな。あんまり覚えていない。パーフェクトブルーはインターネット、パーフェクトブルーが一番面白かったです。結末は分かりやすかったしありきたりだったけどあんまり気にならなかった。面白くて。今作が上映されたのは1997年で、世間的にはインターネット黎明期。匿名性が強いけれどオフ会は頻繁に行われてたっていう時代だったらしいのでインターネットと現実がリンクするのは象徴的な描写だったのかもしれません。当時の評を読んでみたい。ネットが現実世界の延長と判明して久しい昨今だと境界があること自体の非現実性が強くて一歩引いてみてしまうんですよね。そういう意味では90年代後半ならではの作品なのかな。というかパーフェクトブルーから10年足らずで妄想代理人を作ったのか。すごいな。あとサウンドトラックがめちゃくちゃ不気味で良かったです。DVDのメニュー画面で流れているのをしばらく聴き入ってしまいました。パーフェクトブルー戦記っていう今敏が残した文章もあるので、それも読もうかな。
 今敏監督作品は千年女優だけ観てないんですが、今度リバイバル上映するらしいので観てみたい。まぁTSUTAYAディスカスでも借りられるんですが……。
今敏監督『千年女優』リバイバル上映の劇場でA5サイズのミニポスター配布決定【劇場リストあり】
ニュース| 日本を代表するアニメーション監督のひとりとして、『パーフェクトブルー』や『パプリカ』など、国内外で高く評価される名作アニメーションを世に残した今敏(こん・さとし)。昨年、9月に『パーフェクトブルー』が劇場上映されて話題となったリバイバル企画の第2弾として、2001年公開の『千年女優』が、今月19日より全国112館にて期間限定上映される。このたび、全国の上映劇場で入場者に『千年女優』のミニポスター(A5サイズ)を先着順でプレゼントすることが決定した。下段に上映劇場のリスト掲載。 『千年女優』は、2人のインタビュアーを巻き込んで語られる、かつての大女優・藤原千代子の虚実が入り混じった、だまし絵のような女優人生一代記を描いた作品。 前作『パーフェクトブルー』は人間のネガティブな面に、『千年女優』はポジティブな面にそれぞれスポットを当てており、両作品はいわばコインの裏表のような姉妹的な存在とされている。また、音楽を手がけた平沢進と今監督が初めてタッグを組んだ作品であることでも知られる。
今敏監督『千年女優』リバイバル上映の劇場でA5サイズのミニポスター配布決定【劇場リストあり】
 DVDに今敏監督のインタビューが同梱されていてこの文章を書きながら時折目をやっているんですが、話しながらの視線の運び方や手の動きがめちゃくちゃ友人と似ていて久しぶりに会いたいなとか思いました。
 
 音楽の話です。前の日記でも書いたんですが、最近はジャズを聴いています。聴いてた作品をつらつらと
 Sun Ra率いるオーケストラは頻繁に改名していますが、His Astro-Infinity時代が一番好き。なんというか、自分はやはり大作よりもこじんまりした作品に魅力を感じるんだなーと思いました。なぜかね。
 
 フリージャズ・ドラマーとして活動していたTony Oxleyが昨年末に没してたことを知り、改めて参加作品を聴いていました
Derek Bailey、Gavin Bryarsと組んでいたJoseph Holbrooke Trio、かなりかっこいです。実はAmazonでMP3が買えます。
ECMから出ているTomasz Stańkoとのカルテットも美しい。Tomasz Stańkoも亡くなってますね……。
 
ジャズじゃないです。マスロック。31knotsの作品を出していた54º40' Or Fight! ってレーベルを漁っていて見つけました。31knotsのドラマー、Jay Pellicciが参加しています。2000年代初めの作品なので、最近のマスロック勢と比べるとめちゃくちゃ素朴ですね。ヘヴィすぎず、メロディアスすぎず、スカスカな演奏故に緊張感があります。めちゃくちゃかっこいい。
HellaとのSplitも出しているんですが。これはまた違う良さがあります。

2024.01.12

 昨日からなんか調子悪いな〜って思っていたら発熱していました。37度5分。しかし、風邪っぽい症状はなくだるいくらいです。うーんこういうのは怖い。身体の危険信号みたいで。思いあたる節は仕事部屋の掃除でめちゃくちゃほこりが舞ったことと、昨日から急に寒くなったくらいでしょうか。まぁおとなしくしていたいところですが、子供がいるとそうもね…。早く治ってくれ。
 発熱しつつLightning Boltを聴いてました。やはり初期作品(2000年代ごろ)が好きですね。一番好きなのは2nd。
 近作も悪くはないんですが、うーん丸くなってしまったという印象。一曲一曲展開がちゃんとあり、ダイナミクスのコントロールに成功してはいますが、二人のズレが減った結果、スリリングさも失われて普通のヘヴィロックに聴こえます。悪くはないけどこれなら別のバンド聴くかな…。

2024.01.07

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。元旦からキツいニュースが続いてますが、なんとか生活していきましょう。
 
自分はというと今年は頑張るぞとnotionでダッシュボードを作っていました。
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参考にしたのは↓。だいたい1時間くらいでできます。
 早速色々疲れそうな気配が出ているんですが、頑張って運用します。まぁこっからもちょいちょい手を入れるはずなので……。
 
 あとBlenderで土偶を作っていました。おそらく最もメジャーな形ですが、遮光器土偶というそうです。頭部についてるのが遮光器(グラサン?)っぽいからだそう。
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 あと年末はオウムガイも作っていました。これはもっと模様とかをちゃんとしたい
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 生き物やオブジェクトを作っていて三面図の重要さを認識しました。オウムガイはなんとなくこうだろああだろという感じで作ったんですが。土偶は東京国立博物館のHPに正面と側面の画像があったのでそれを参考に作りました。
こんな感じ
こんな感じ
 これが結構便利でモデリングする時にあんまり迷わずにすんだ。画像探す手間を考えると微妙ですが、輪郭だけ自分で描くくらいなら全然余裕。二面でも十分そう。
 
 話を変えまして、Paul MotianのElectric Bebop Bandを最近よく聴いています。
Paul Motianはずっと好きなドラマーなんですが、主にJoe Lovano、Bill Frisellとのベースレストリオを聴いていて、EBBBはあんまり聴いてなかったです。最近そういえばOn Bloadwayシリーズが良かったなぁと思っていろいろ聴き直していていろいろ再発見があったというか、まぁなんか良かったので、改めてディスコグラフィーを追っています。まず何を持っていて何を持っていないのか整理しないと……。
Noël AkchotéがPaul Motianの曲を演っているアルバムを見つけてちょっとウケています。
 
最後ですが、元旦に石川県能登地方を震源とする地震について、被災地や被災者支援を目的とした緊急支援募金がYahoo!基金で開始されていたので一万円寄付しました。
 
改めて今年もよろしくお願いします。

2023.12.26

 そろそろ2023も終わりだ…。短かったような長かったような…。東京から沖縄に引っ越して生活環境がまるっきり変わってしまったので時間感覚もバグってしまった。
 
 今年はBandcampのアーティストページを開設して音源を出せたのがよかったですね。
 なんとなく各パートは編集せずに自分で演奏するようにしていました。こだわりというか、DAWで切ったり貼ったりを始めてしまうといつまでも終わらなくなってしまいそうだったので…。 次のアルバムはがっつり編集を加えたものになります。ビートは相変わらずない。
あとは…Bandcampで音源も結構買ったので2023年のベスト音源でも載せておきます。

40 Nights and 40 Days / Mike Cooper

 Mike Cooper!!!またMike Cooperです。2020年リリース。2023ですらない。コロナ禍真っ最中に録音された本作。曲名のQuarantineというのは元々ペストが流行した際、40泊40日隔離されなければならないという意味で、イタリアのヴェネツィアで生まれたとか、そうでないとか(調べたら諸説ありだった)。またカッコ内に記されているのはスペイン内戦で活動していた写真家たちの名前だそうです。曲は全編インスト。不規則な電子音とノイズが素晴らしい。微かに聴こえるラップスティールギターもグリッチによる唐突な中断と短い反復で断片化されます。ただ、音色がチープで可愛らしくそのギャップが楽しいです。

New path / Folder

 これも2020リリース。picnicのメンバーが参加していてpicnicより聴いています。ユニット名がFolderでアルバム名がNew pathです。世界に遍在しすぎ。めちゃくちゃ探しにくいのでApple Musicのリンクも貼っておきました。加工されたフィールドワーク音源と細切れのピンクノイズが散らばった空間に、ビート感一歩手前の音の反復とフェードイン/アウトを繰り返す電子音が気持ちいいです。最近は2010年代後半から2020に至るまでのアンビエント・ミュージックを聴いているんですが、ジャンル全体の表現の進化を感じさせる作品が多いように思えます。リズムやビートよりのアプローチをとりつつ、ニューエイジ・ミュージックの音像を大切にしているというか、フォークトロニカやエレクトロニカの影響を強く感じます。初期Four TetやThe Booksを出発点に時代を遡ってBrian Enoを参照した感じ。
 この作品も同じレーベルから出ているんですが、共通した感触があります。

Joy In Fear / goat

 goatです。8年ぶりの新作らしく時の速さを感じます。現在デジタルフォーマットでの販売やサブスクはなくCDもしくはLPを買うしかありません。よかったので買いましょう。
 1曲目と7曲目以外はバンドで録音しているらしいんですが、1st、2ndと比べるとバンドのダイナミクスを保ちつつミニマルミュージックや音響的なアプローチが増しているように思えます。性急さが減ってちょっとずつ緊張感を積み上げている感じ。3曲目とか特徴的ですね。ドラマーが前作と変わったのが影響しているのか聴いたかぎり打楽器が増えているのも前作との違いでしょうか、新しい楽器も違和感なく取り込めるのはプレイヤー/コンポーザーとしてのスキルが伺えます。そして相変わらずバンド演奏が上手いし唯一無二。
 書いてて思い出したんですが、今年リリースされた空間現代の新作はかなりgoatの影響が感じられます。こっちもぜひ。bandcampもサブスクもあります。
 

2023.12.22

 年末の嬉しい話。今後も頑張って制作を続けたいです。来年はアルバムを出せると思います。
 次は最近読んだ文章について、今年はいろんな本を読んだ気がしますね。それ以上に買ってるので積みまくっているんですが…。
 世界2023年2月号に載っている大衆的検閲が気になっていたので読みました。2022年11月にインドネシア共和国ジャカルタで開催された第33回国際出版会議で小説家の桐野夏生氏が行った基調講演の内容だそうです。興味を持った背景としてはKADOKAWAの刊行停止の件 で大衆的検閲でないかといったツイートが散見されたからです。そもそも公権力が表現物を精査して取り締まりを行うのが検閲なので大衆は公権力にあたるのか?という疑問や刊行停止を決定したのは出版社自身ではないかといった反論が浮かびますが、一旦置いときます。
 原文の主張としては、朝日新聞の記事を前提に。アルゴリズムによって「挑発的で質の悪い投稿」が大量に拡散された結果、大衆の批判精神が衰え、正義/悪、フェミニスト/アンチフェミニスト、右翼/左翼といった二元論によって分断が起こっていると主張しています。分断によって醸造された不寛容な精神は「正しくない」とする表現活動(原文では主に小説)へ執拗な誹謗中傷を行い表現の自由を脅かしている。(これが大衆的検閲)。一冊の本がデジタル化されてただのテキストコンテンツになった途端、文脈を無視されて断罪されるようになった。このような風潮へ対抗するためには作家と出版社は強い絆を持つ必要があるとのこと。詳しくは世界2023年2月号を読んでほしい。4〜5ページなのですぐ読めます。
 文中の朝日新聞のニュースとはこれだと思います。一応リンクを貼っておきます。有料記事部分にFrances Haugen氏によるFacebookの内部文書から引いてきた表現があります。
 大衆的検閲で言及されている「挑発的で質の低い投稿」とはどういったものなのか、記事中では「怒りのリアクションがついた過激な投稿」とされていますが、より詳しく知るため、Frances Haugen氏が暴露した内部文書をもとに構成された、The Wall Street Journal のThe Facebook Fileという一連のシリーズ記事を軽く読んでみることにしました。The Wall Street Journal、今なら最初の12ヶ月が月額2ドルです。解約を忘れないようにしないと。
 該当する章はこれです。facebookは1いいね1ポイント、コメントやリアクション1つにつき5ポイント、そしてポイントが高い投稿ほどニュースフィードに表示されるようになっていたようで、結果的に物議を醸すテーマが投稿されると怒りリアクションが大量に使用されるため、そういった投稿ほどフィードに表示されやすくなっていたとのこと。BuzzfeedのCEOからこういったアルゴリズムがもたらす分裂についてFacebookへ指摘があったようです。
 SNSによる集団ごとの分断は深まっているという実感はあります。フィルターバブルやエコーチェンバーといったインターネット上の情報流通の特徴も影響しているでしょう。「大衆的検閲」を生み出す原因について疑問を挟む余地はありません。
 一方で出版に携わる人々や作家自身がSNSの分断に影響される危険性については何も触れていません。SNSの影響力は強大であることを指摘しつつも出版社と作家はまるで関係ないかのような態度には疑問があります。おそらく、大衆的検閲という言葉には読み手/書き手の二元論が前提にあります。多くの人が読み手であり書き手である現実を無視して、流通というボーダーを引き作家と出版社の神秘化を試みているように思えます。
 最近だと作家というよりライター(でも著作もあるし作家か?)ですが、以下の竹田ダニエル氏の記事とその後の釈明?ツイートがいわゆる「不寛容な精神」に陥った書き手を体現していると思います。
 SNSのタイムラインから観測した事実をもとに所在不明の「普通の結婚観」を否定し、結婚を選択した人々を「他人まかせの幸せにすがっている」と断定し、自分の考えるリベラル像やジェンダー観を押しつける。これこそSNSによって引き起こされた「不寛容な精神」だと思います。さらにいえばこの記事こそ「挑発的で質の低い投稿」でもあります。竹田氏の関連ツイートを見てもSNSの分断から作家が逃れられる保証はなさそうです。
 

2023.12.19

 Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters を読みました。KADOKAWAが刊行停止した翻訳本「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」の原著です。
 自分は翻訳本について刊行すべきでないという立場でしたが、読むきっかけとしては、Xで「読んでから批判しろ」的な投稿が大量に流れてきたのでなら読んでみるかという気になりました。まぁ全然ヘイト本だったんですが…。この原著を読んでから云々〜と言うのはかなり暴力的だなと思います。原著がKindleで売ってるから自分で読めばいいと思う。また、これは読んだからこそ言えるのですが、読む必要はありません。
 本書を通底するのは急速発症性性別違和(Rapid-onset gender dysphoria、以下ROGD)を根拠とした、トランスジェンダー当事者(主にトランス男性)に対する親の権利(パターナリズム)の徹底です。ROGDについては今回の刊行停止騒動があってからWikipediaに日本語のページができましたね。
 ROGDを簡単に説明すると思春期になって急に性別違和を発症(論文の表現を引用しています)するのは、ソーシャルメディア/インターネットの使用量が増加したか、1人または複数の友人がトランスジェンダーになった友人グループに属したかのいずれか、もしくは両方に原因があるのではないかという仮説です。ROGDついてはさまざまな批判が寄せられています。調べたらすぐわかることですが、簡単に書いてみます。
  • 実証研究がなされておらず、統計結果のみに基づいていること
  • 当事者でなく、当事者の親のみに質問調査を実施していること
  • 質問調査を実施したWebサイト(4thWaveNow,Transgender Trend,Youth Trans Critical Professionals)がいずれも反トランスジェンダーコミュニティであること
 また、2021年に公共医療、科学の発展に努める団体CAAPSはROGDを臨床および診断に用いることをやめるよう声明を発表しています
 さらにより広範な対象や当事者への調査、また分析研究が実施されましたが、ROGDを支持できるような結果は見つかっていないようです。
 本書はROGDを根拠としトランス男性の両親のインタビューを通して思春期の医学的な性別移行(主にホルモン治療)へ反対する。といった試みなのですが、医学的リスクの生ずる責任をインフルエンサーやセラピストの責任かのように書いていたり、トランス男性をshe/herと意図的に表記したり(ミスジェンダリング)、ジェンダー・セルフID制をトランスジェンダリズム(性自認至上主義、トランスヘイターがよく使う表現と自分は認識しています)として批判したり、ノンバイナリーの存在を無視していたりとヘイトのお手本のような表現が全体を通じて散見されます。
 もう一度書きますが、読まない方がいいと思います。ROGDについて詳しく知りたいのであれば、元の論文や追加の検証研究を読めばいいだけです。医学的性別移行のリスクについても同様です。コミュニティ内でも議論されている複雑な問題を、ヘイトを持って語る本書で学ぶ必要はないと思います。それよりトランスジェンダー入門読んだ方がいいですよ。

2023.12.08

最近はSNSで怒ってばっかりいます。この件です。
いま原著読んでいる最中ですが、ヘイト本が刊行停止になってよかったね。という感想です。みなさんは読まなくていいです(というか読まない方がいい)。来週あたりに書評というか、批判をここに載せようと思います。
そんでまぁヘイト本読んだり刊行停止のバックラッシュに怒ったりしていたら非常に疲れてしまったので気分転換にBandcamp Fridayで買ったものでも載せようと思います。
最近よく聴いているアーティスト、UllaことUlla Straus が参加しているユニットです。アンビエントさもありつつ、ASMR的な音響効果や硬いノイズが時折まじり気持ちいいです。
ユニットの片割れ、Perilaのソロ作もめちゃくちゃいい。今度掘ってみます。
 
nzworkdownさんの新作。地響きのような低音ドローンに重なるように様々な電子音が放り出されて溶けています。だんだんと光がさすような荘厳さが増していくのがかっこいいですね。
 
ドラムとベースの即興。歌も入っています。ドラムは物音系ドローンっぽいアプローチですが、その上でベースが巧みに即興を披露していきます。ベースのJoëlle Léandreはキャリアが長く、Johe CageやMerce Cunninghamと共演経験があるそうです。
 
めっちゃいいドローン。トリオです。今回一番のヒットでした。そして調べたらApple Musicにありました。調べろよ。2000年代から活動開始しています。わりとベルリンスクールっぽい音像ではありますが、他のアルバムではビートミュージック然としているものもあります。メンバーの興味がバラバラっぽく、解散した現在は三者三様の作品をリリースをしていて、今作と近い作品はないかも。以下元メンバーのDiscogです。
 
全然調べていない。というか調べてもあんまりわからなかった。Mabisyoってユニット?のメンバー?らしい…。チリ在住のヴェイパーウェーブとかその辺のジャンルで活動しているっぽい。
 
NaualってユニットとStefan Christensenっていうギタリストのコラボ作品なんですが、それぞれの作品はあんまハマらず、このコラボ作だけめちゃくちゃ好きでした。ブルースを引き伸ばしたようなドローンであんまりこういうのないからたのしいですね。
 
901 Editionsを漁ってみました
この前来日してたFabio Perlettaの作品。ライブ音源も入ってそう。ていうか901Editionsのレーベルオーナーなんですね。まだ全トラック聴けてないんですが。抑制されたピアノとサイン波、ノイズから構成される冒頭のトラックは緊張感と美しさの同居する素晴らしい曲です。hかにも笛の音が吹き荒ぶトラック、物音系なトラックとかなりバリエーションがあります。
 
Shuta Hirakiさんの作品、最近リリースされたやつですね。901Editionsの15周年プログラムを祝う作品の一つです。書籍、響きの考古学からインスピレーションを得たそうです。興味がでたので買ってみた。
確かに響きに焦点を置いているようにも聞こえますが、オリンポスのペンタトニックスケールを用いた即興で西洋的なような民族的なような不詳なフレーズが印象的です。他のトラックでも同様な試みがみられます。
 
Masaya Katoさんの作品。どのような創作過程を経たのかはわからないですが、この作品は水音が一貫しています。水琴窟のような音も登場していて電子音とのコラージュが楽しめます。
 
他にも買ったけど疲れてしまったので終わり!まぁbandcampアカウントのコレクションを見ていただければと思います。
 

2023.11.29

ひさびさの日記です。ちょっと疲れ気味でいろんなものをやってませんが、BlackFridayでいろいろ買ったので頑張りたい。
そしてBFは全く関係なく、ノイズボックスを作りたい。
Video preview
一個大きい仕事が終わったので気合いを入れて毎日を取り組みたいですね。